若いダンサーの登竜門、ローザンヌ国際バレエコンクール。しかし、その舞台となるスイスでは、バレエの伝統があまり育っていなかった。その状況を変えようとしている国立のダンス学校が2校ある。チューリヒ・ダンス・アカデミーがその一つだ。
ルー・シュピヒティクさんとラウラ・フェルナンデス・グロモヴァさんは今、ダンス人生で大きく飛躍しようとしている。この2人のスイス人は、2月1日から始まるローザンヌ国際バレエコンクール2015で、300人の応募者から選出された70人の中に残り、出場の栄冠を勝ち取ったからだ。
このコンクールの入賞者にはトップクラスのバレエ学校やカンパニーへの奨学金が与えられる。若いダンサーにとってはまさに登竜門だ。
ここはチューリヒ・ダンス・アカデミー(taZ)の広いスタジオ。ラウラさんはクラシックバリエーションの衣装を初めて試着している。美しい刺繍(ししゅう)が施された黒と金色のチュチュだが、胴部分のフィットがまだ完璧ではない。教師のティナ・ゴールディンさんは、調整が必要だと言う。「衣装に気を取られて集中できないのでは困る。きちんと体にフィットすることが大切だ」