モザンビークでは、10人に1人の子どもが5歳になる前に死亡する。多くがマラリア、呼吸器感染症、下痢など、回避できる病気によるものだ。状況は改善されつつあるが、ミレニアム開発目標(MDGs)の達成にはほど遠いと政府も認める。
道端で子どもが生まれる。母親は自らナイフでへその緒を切らなければならない。父親もその場にいるが、遠くから見ているだけだ。男性はこのような女性の問題には関わらないものだからだ。茂みのそばの地面には乾いた血の痕がある。陣痛が耐え難いほどひどくなった時、夫婦はカタプアにある診療所まではとてもたどり着けないと悟った。夫婦の暮らすメクラネ村からは、灼熱(しゃくねつ)の太陽の下、サバンナの劣悪な道を15キロも行かなければならない。「フアニートは5人目の息子」と、30歳のアルマンド・サバオさんは誇らしげに言う。隣では妻のナタリア・フェリックスさんが赤ん坊を抱いている。子どもは元気そうだ。