太陽光だけで飛ぶ有人飛行機「ソーラー・インパルス2号機」を載せた貨物機はスイス・パイエルヌ空軍基地を6日朝に出発し、同日夕方、アラブ首長国連邦のアブダビに無事到着した。ソーラー・インバルス2号機はここを出発点に、今年3月から5カ月間の世界一周飛行に挑戦する予定だ。
飛行中は乱気流に耐えられるよう設計されている同機だが、輸送にはデリケートだ。翼幅は72メートルあり、同機を載せた貨物機よりも長い。そのため、翼は三つに解体され、各構成部品は特製のコンテナに収納された。
貨物機にソーラー・インパルス2号機を運び入れる作業は、6人の専門家チームが夜通し行った。輸送コストは推計40万フラン(約4700万円)。旧型のソーラーインパルス1号機をスイスから米国に輸送した際のコスト50万フランより低い。
2号機はアブダビで2カ月間ほど整備をした後、3月の天候が良い日に、5カ月間世界一周の旅に向けて出発する。東周りで、アラビア海、インド、ミャンマー、中国、太平洋、米国、大西洋、南欧、北アフリカを回り、最終的に出発地アブダビに戻ってくる予定。