チューリヒ出身の写真家カタリーナ・リュッチャーさんは10代の頃に1年間、オランダのハールレムに留学し、そこで初めてフラマン人画家フランス・ハルスの作品に出会った。その影響からか、リュッチャーさんの作品はまるで古典絵画のような静寂感に包まれている。
写真家カタリーナ・リュッチャーさんの作品「Alte Meister(昔の巨匠たち)」からは、絵画の巨匠たちが、いかに今日に至るまで影響を与え続けているかということがわかる。静物画写真の作品制作から始めたリュッチャーさんだが、それはやがて友人で画家のユリア・シェパードさんと共に制作する肖像画シリーズへと発展した。「昔、モデルとなる人物は長いあいだ同じポーズのまま、じっとしていなければならなかったということを考えたとき、私のモデルたちにも、それと同じ感覚をイメージしてカメラの前に立ってもらうようにしたかった。そうすると数分間のうちに、完全な静寂が訪れた」
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